亭戯譚

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詩-1「死ぬことなんてこわくはないさ」

死ぬことなんてこわくはないさ

ただ、ただ、

 ……とても寂しいのだ

笑顔になんてなれなくなるのが

いつかは忘れてしまうのが

 

だから我らは笑うのだ

明日死んだっていいように

いわれなどない寂しさの音を

うるさい声でかき消すため

 

だから我らは愛するのだ

ここには誰かが立っているぞと

腕を振り、振り、歌うのだ

 

死ぬことなんてこわくはないさ

ただ、ただ、

……とても寂しくて……