2021-01-23 詩-2「浜辺の月」 浜辺の月は寄る辺なく いつも何処かが欠けている 僕はそれに腰かけたく 白黒の砂の上に立つ 蒼黒い海の白波からは 細長い腕が飛び出すようで それに引き摺り込まれまいと 僕は両足を踏んじ張る 浜辺の月は青白く いつもにこにこ笑っている 僕はといえば夜闇の内 それへの執念で道をゆく 僕はといえば人の間を あきらめのうちに歩んでいる