亭戯譚

文の保管庫

ベツドの上で眠る時には

ベツドの上で

眠る時には

 電気と共に

 個性も消して

  仮面の下の

  醜い顔を

   撫で回しつつ

   布団の温さ。


私たちには

顔がないので

 化粧と共に

 夢を落として

  一つ残った

  形見のような

   精神を食むる

   下品な灯。


濡らした枕に

謝らなけりゃ

 涙と共に

 声も枯らして

  いつかの僕は

  どこか遥かか

   悪い夢見と

   枕の柔さ。


誰かの歌を

歌うばかりで

 瞼と共に

 耳も塞いで

  明日のための

  顔を作れば

   虚しさ少しと

   布団の温さ。