亭戯譚

文の保管庫

口語日記-1

本日は陰鬱な気持ちに御座います。睡眠不足や寒さが原因だと、世間では申されておりますが、いやちっとも、昨日は十何時間と寝ましたし、この部屋も別段寒くないのでありますから、この陰鬱こそが俺の本質だと言うのを、嫌々見せつけられている気分であります。

 

友に会う度心を引掻き回される心地ですので、いっそ人に会いたくないと言う気持ちも募ります。

喧騒を知る度、静けさが恐ろしくなるのは、人の道理でありましょう。

 

全てを投げ出して隠遁の生を送りたいと常々思う我が身ですが、いや、とにかくこの時勢は金がかかる。

生きる為には金を払わねばならぬ。俺のような屑にとっては、高く生き難い時代であります。

ただ一人死を夢見ながら、ぼろ家の縁側で茶を啜るだけの人生を送りたいものです。きっとそうなっても後悔するのが、俺と言う人間なのでしょうが。